2016年4月14日に発災した「熊本地震」。この地震によって、家族との離れ離れを余儀なくされた、熊本県西原村で暮らしていたミニチュアブルテリアのBENくん。今は、大分のおじいちゃんの家で暮らしていますが、8月に、応援してくれた各地のお友達に会いに行くツアーを、ご家族の川野さん一同&BENくんで実施しました。

熊本から大分へ、大分から大阪へ、大阪から東京へ、東京から再び大阪へ、そして大分と熊本に帰ります。8月の盛夏、BENくんはたくさんのお友達に会うことが出来ました。こちらの動画は、「東京編」の記録となります。

東京編が実施されたのは、埼玉県さいたま市にあるドッグラン。こちらに36匹のブルテリアと、60人近い人間が集まりました。BENくんと川野さんは、皆さんに丁寧に挨拶してまわります。そして、記念写真を次々と撮影していきます。皆に元気を分けるつもりで始めたツアーが、逆に元気をもらう結果に。誰にでもフレンドリーなBENくんは、しっぽを振りながら、皆に愛想を振りまいていました。

飼い主の川野さんは、BENくんを主人公にした絵本を出版しようと目論んでいます。それは、これ以上、災害の時にペットと離れ離れになってしまう家族を出さないように、自分たちの経験を伝えるためです。ハードルは高いですが、川野さんはこれ以上つらい思いをする人を出したくないと、暗に語っていました。

災害の度に、避難の際、ペットと飼い主が離れ離れになる問題が起きてしまいます。東日本大震災しかり、最近ですと口永良部島の噴火で、島民が島外に避難した際、島内に残されたペットのことが話題になったこともありました。

熊本地震の際も、避難所へのペット同行が不可能だったところがありました。環境省はペット同行避難の指針を出しているのですが、地方行政にまで浸透しきっているとは言えない状況です。熊本地震の際は、民間の手により、ペット同行可の避難所が作られたりもしましたが、川野さんによると、公的な情報は入ってこず、SNSなどで流れてきた断片的な情報を知り得た程度だったとのことです。

現在、ペットを家族同様に思う人は増えています。それだけに、災害時、避難する時にペットの扱いをどうするかは大きな問題です。環境省の指針も徐々に浸透してきたとはいえ、段階としてはまだまだと言わざると得ません。川野さんご一家のように、「家族」を手放すつらい判断をしないためにも、普段から災害時のペットをどうするか、考えておかねばならないのは、ペットと共に暮らす人にとっては喫緊の課題です。

参考サイト各種

環境省・災害時におけるペットの救護対策ガイドライン
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2506.html

川野さんが暮らしていた西原村の復興に向けた活動
「まけんばい河原 ~グリーンヒル河原母の会~」
https://www.facebook.com/makenbai.hahanokai/
http://www.makenbai.or.jp/

被災犬ミニチュアブルテリア Benの絵本プロジェクト
https://www.facebook.com/被災犬ミニチュアブルテリア-Benの絵本プロジェクト-467378336797729/

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